「歯医者には、歯が痛くなったら行く」
「年を取ったら、歯は悪くなる、抜ける」
「毎日、きちんと歯みがみしていたら虫歯にならない」
この様に思っている人は多いと思います。
でもこれは、間違っています。
歯が悪くなってから通院しても、治療することしかできないからです。
治療するということは患者様の歯を削るということです。
歯は削ったら二度と元に戻らないと言うことです。
歯は他の体の組織と異なり、自浄作用(自分で良くなる能力)がないので、悪くなったら、悪い部分を削り落として、人工の物で補うしかない訳です。
そうならないためには、常に悪くならないように気を使ってあげる、大切にしてあげることが欠かせないのです。
悪くなった部分を人工の物で補うと、デコボコができます。
人間の目には見えなくても、小さい細菌にとっては大きなデコボコです。
そこに細菌がたまりやすくなったり、デコボコのすき間から入り込んだりする原因を作ってしまうのです。
しかし、自分の歯であればそのようなデコボコはないので、細菌がたまりづらいです。
患者様は「治療すれば治る」と思っていらっしゃいますが、それは違います。
それは先ほどもお伝えしましたが、神経まで到達してしまった歯は神経がある歯に比べて、残存年数が飛躍的に短くなります。
と言うのは、神経がなくなるというのは木で言えば枯れ木と同じような状態です。
そのようになっても、「噛む」「食べる」「しゃべる」などの基本的な機能を回復させることはできますが、耐久性が断然、悪くなってしまいます。
何か強い衝撃であったり、硬いものを噛んだ拍子に歯が割れてしまう、折れてしまうということが起こります。
ですから、悪くなってしまった歯を治すということはできないのです。
「機能を回復させる」ということしかできません。
また、「年を取ったら歯は悪くなる、抜けるは当たり前だ」と思っていらっしゃる方もたくさんいると思います。
悲しいですが、今の日本の現状ではその通りです。
現在、80歳の方の平均残存指数はたったの6.8本(厚生労働省調べ)しかありません。
通常、人間のお口の中には28本の歯がありますから、約4分の1しか残っていません。
アメリカであれば85歳のときに平均15.8本、スウェーデンであれば75歳で平均19.5本の平均残存歯数となっています(サンスター調べ)。
「どうしたら悪くならないように予防できるか」ということを考えて来なかったからです。
これが欧米諸国との間に大きな差がついてしまった最大の原因です。
スウェーデンでは75歳の平均で約20本も歯が残っているのです。
歯は残せないのではなく、単に歯を残していないだけなのです。
我々も、きちんとしたことを行えば、十分、歯を残せるのです。
では、どうしたら歯を残せるのでしょうか?
欧米諸国はどのようにして、歯を残しているのでしょうか?
その答えが1~3ヶ月に1回、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることです。
欧米では、虫歯などの治療ではなく、このメンテナンスに力を入れたことによって、国民の平均残存歯数が飛躍的に向上しています。
皆さんは、80歳になったときに、何本、歯を残していたいですか?
まだ日本には馴染みがないかも知れませんが、メンテナンスのためだけに歯医者さんに通うと言う考え方を持つことが大切です。
多くの方が、むし歯が原因で歯が抜けてしまうと思っています。
しかし、現実はそうではありません。
高齢の方で、歯が抜ける原因の約半分が歯周病です。
そもそも、歯というのは何によって、支えられているでしょうか?
歯は歯槽骨(しそうこつ)という骨によって支えられています。
この歯槽骨が溶けてしまう病気が歯周病です。
歯を支えている骨がなくなってしまうと、歯は支えを失って抜けてしまいます。
この溶けてしまった歯槽骨は元に戻るでしょうか?
これは、元に戻りません。(再生療法以外では)!!
歯の表面であれば、悪いところを削ってつめて、かぶせ物をすることで補うことができますが、歯茎の下にある歯槽骨を削って詰めることはできません。
と言うことは、歯周病は進行を食い止めることはできるのですが、治すことはできないのです。
しかも、恐ろしいことに歯周病は痛みが無く、進行していきます。
皆さん、むし歯になれば痛くなりますよね?
だから、「痛くなったら歯医者に行くものだ」と思う方が多いわけで、痛みが無く進行する歯周病になると、歯の表面はむし歯じゃないんだけど、歯ぐきの下で歯周病が進行し、むし歯になって久しぶりに歯医者に行ってみたら歯周病が進行していたということが多いのです。
こう言うことが多いのですが、本人の自覚症状がありません。
ですから、来院後「むし歯の治療の前に歯石を取るようにしましょう」と申し上げても、なかなか理解をしてくださらないということがよくあります。
自覚症状が無い歯周病を予防していくためにも、1~3ヶ月に1度の定期的なメインテナンスが欠かせません。
自分には関係のないことと思っている方もいらっしゃっると思いますが、現在、日本の成人の約80%が歯周病の何らかの段階に入ると言われています。
ちなみに、歯周病が進行してしまうと、インプラントでの歯を復活させるということも難しくなります。
「歯ブラシ、しっかりやってれば大丈夫!」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
しかし、そうではありません。
歯ブラシを一生懸命していただいても、落とせない汚れがあるのです。
それが歯石とバイオフィルムです。
歯石とは歯垢(プラーク)が固まって(石灰化)できたものであり、この歯石は表面がザラザラしているために、細菌がつきやすくなります。
細菌がついて、歯と歯ぐきの間にある溝(歯周ポケット)に入り込み、それにより歯槽骨を溶かしてしまう原因となります。
ですから、歯石はきちんと取り除く必要があるのです。
また、バイオフィルムとは台所のヌメヌメのようなものであり、細菌同士が固まって保護膜を作り、殺菌剤や抗菌剤から細菌を守る役目を果たし、それによって歯ブラシでは取りづらくなります。
また、歯と歯の境目、歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)についたバイオフィルムは歯ブラシで取り除くことは困難になります。
バイオフィルムを放置しておくと、むし歯と歯周病の原因となります。
ですから、これを機械的に歯科医院で取り除くことが重要になるのです。
ですので、1~3ヶ月に1度の定期的なメインテナンスが大切になるのです。
1.定期的な口腔内のチェック
皆さんの状態によって、1ヶ月~3ヶ月ごとにお口の中を診査します。虫歯、歯周病のチェックを行い、前回と比較します。期間は、そのかたの症状や状態をみて考えて計画していきます。
2.検査の結果は、担当の衛生士が分かりやすく説明をします。
3.歯石や歯垢を取り除きます
従来の歯石歯垢をとるスケーリングのみならず、PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)という方法で、歯の表面から、細菌の付いたプラークをはがし取ります。
4.きれいになった歯面にフッ素を塗布します
エナメル質の強化や細菌の活動の抑制をはかり、むし歯の予防に役立てます。
まずは、メンテナンス、口腔内チェックだけでも構いません、歯医者に相談してみましょう。
そして、多くの歯を残すことを一緒に目指しませんか?
光殺菌治療とは? 感染部分に光感受性物質を注入し、光を照射することで殺菌する安全な治療法です。
医科では早期がんの治療法として、医科では1990年頃から光やレーザーを用いて肺、食道、胃、子宮頸部などの早期がんに対して治療行う光力学療法(PDT=Photo-Dynamic Therapy)という治療法がありました。
歯科では殺菌治療法として、歯科では数年前から欧米を中心に、抗生物質を使わない体に優しい安全な治療法として光殺菌治療が急速に普及しております。
光感受性ジェルを細菌に浸透させて光で殺菌する画期的な治療法となります。
●耐性菌をつくらない● 抗生物質による治療とは異なり、光殺菌治療は耐性菌をつくりません。
耐性菌をつくらないので、耐性菌にも効果的です。
●耐性化した細菌も殺菌● 光感受性ジェルはあらゆる細菌の細胞壁や細胞膜に浸透します。
そのため、光殺菌治療ではすでに耐性化した細菌も殺菌可能です。
耐性菌にも効果的です。
●痛み、副作用がない● 光殺菌治療は患部に光感受性ジェルを注入し、LED照射を行うだけで治療中に痛みを伴いません。
また、副作用もありませんので繰り返し治療に利用できます。
【CALL臨床使用機材:デンマークCMSデンタル社 FotoSan630】
最先端の光殺菌装置は世界でまだ数社しか販売されていませんが、CALLが臨床で活用しているのは、デンマークのCMSデンタル社のFotoSan630です。
光感受性ジェルが細菌の細胞壁や細胞膜に特異的に浸透します。
特定の波長の光が照射されると、 光感受性ジェルがエネルギーを受け取り「活性酸素」を大量に発生します。
「活性酸素」が細菌の細胞壁や細胞膜を破壊し、高い殺菌効果を発揮します。
細菌が引き起こすさまざまな病変の治療に有効です。
●急性期●通常の治療の上に光殺菌治療を行うと、「とどめの一撃」としての殺菌効果が期待されます。
これまでの治療方法では除去しきれない細菌を死滅させ、
個人差はありますが治癒期間の短縮、感染の再発防止に大きく貢献します。
●常に使用●
加えて、光殺菌治療は予防にも有効です。
ペリオやインプラントの定期健診、矯正治療のメンテナンスの際に予防的治療としても効果を示します。